ハンドメイド講師・作家インタビューvol.3 手作り石けん講師「With Flowers」金子ひとみさん

みなとみらい線、元町・中華街駅舎の上にある、自然豊かなアメリカ山公園。
視界が広がる空の下、色とりどりの花を愛でる人たちが優雅に過ごす公園では、ゆったりと流れる時間が流れていく。
そこから少し奥に入ったところにある、自然あふれる古民家サロン『With Flowers』。
教室の主宰をされている金子ひとみさんに素敵な笑顔でお出迎えをしていただき、笑い声が聞こえてくるお教室に足を踏みいれると、四人の女性が楽しそうに手作り石けんのレッスンを受けていた。
和やかであたたかな雰囲気の教室を作っている金子さんが、どのようにハンドメイドを仕事にしていったのか伺ってきました。

ハンドメイド講師として起業するまでの道のり

手作り石けんをはじめたきっかけはなんですか?

 

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若い頃お化粧品マニアだったんです(笑)

日本未発売の化粧品とか色々試したりしていました。
けれども、新しいものとか、面白いものとかに飛びついてしまって肌を痛めてしまったのか、年齢を重ねるにつれて、冬になると肌がひどく乾燥し、皮膚科でお薬を頂くようになってしまいました。
敏感肌用の化粧品とかも合わなくて……。
乾燥することに悩んでいた時に、たまたま知人がお教室で作った手作り石けんを少し頂いて、
それを使ったら乾燥が治り、その冬は皮膚科に通わずに過ごせたことに感動して、自分でも作るようになりました。

手作り石けんを知って、自分のスキンケアは間違ってたなってことに気づいて、
それをきっかけにちゃんと肌のことを知りたいと思ったので、色々化粧品のことなどマニアックに勉強しました(笑)

 

お教室を仕事にする前は何をされていたんですか?

何度か転職をしましたが、長い間ごく普通の会社員をしていました。
将来的には自分で何か仕事はしていきたいなと思っていたんです。

会社員生活は多くのことを勉強させて頂ける場だと思います。人付き合いを学んだり、パソコンスキルを教えてくれたり。
会社は楽しかったのですが、OLさんってすごく特殊なテクニックがあったり、出世をしていかない限り、仕事内容が大きく発展しません。
楽しいけれど、行き詰まりを感じていました。

いつ頃ハンドメイドを仕事にし始めたんですか?

昔から、いつかは会社員ではなく自分で仕事をしたいと思っていました。
でも多くの人と関わる会社生活が楽しくて、辞められなくて……。
会社を辞めて一人で仕事することが、何だか寂しく思えてしまって(笑)
でも、やりたい事があるのに、あまりに年齢を重ねすぎると腰が重くなってしまいます。
これ以上会社にいたら楽しくて辞めれなくなっちゃう。丁度良い時期を逃してはいけない思って、
会社を退職して2008年に教室を始めました。


会社を辞めるまでの間は、自分のためだけに石けんを作っていましたが、作れば作る程、使い心地やデザインへの探求心が深まり、これが自分に一番合った仕事だなと思い、多くのレシピやデザインを少しずつまとめておきました。

 

なぜお教室名は「 With Flowers 」にされたんですか?

お花を飾る石けんを作ってるということもあるんですが、教室の近くには山下公園や港の見える丘公園、アメリカ山公園など、美しいお花が咲く場所がたくさんあり、お教室の庭にもお花が咲いていたので、「With Flowers」という名前にしました。

このお花を飾った石けんはフラワーコンフェティソープと名付け、作り方は商標登録をしています。

 

仕事を始めた当時、不安だったことはありますか?

教室をはじめて、ブログやホームページを作ったものの、お教室の存在を気づいて貰えるか、お客様が本当に来てくださるか不安でした。
余計な時間があると更に不安になってしまいます。会社を辞めたさみしさもあって余計ですね。
会社員の頃は、仕事の悩みを相談出来る同僚がすぐそばにいてくれましたから、不安な気持ちをひとりで抱えることに押しつぶされそうな時期もありました。

お教室を初めて1年目ぐらいは不安でした。

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どんなことでも3年やって結果が出なかったら自分はそこに向いてないのかもしれない。3年間は絶対に諦めないって思っていたんです。
不安自体は自分で吹っ切っていくしかなくって、好きで始めたことなのだから前に進むしかない。
お客様に来ていただけるような魅力的なものをひたすら発信していくしかないなって思いました。
2年ぐらい経過した頃から、かなりお客様が来てくださるようになって、とても忙しくなって行き、発信していけばいくほど来てくださる方も増えてきたので、だんだんと不安も消えていきました。

 

ハンドメイド講師としての現在の活動

一番力を入れている活動はなんですか?それ以外にもあったら教えてください。

最近、小学校や公共の場では、液体石けんが主流になっているようで、生徒さん数名から伺った話しによると、固形石けんを子供に見せたら「これ何?」って聞かれたそうなんです。
日々の生活で固形石けんを使ってないから、子供たちが知らないのは当然ですよね。

すごくそれって衝撃的で……。

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固形石けんの文化を絶対なくしたくないなと強く思いました。

お料理を作るように、石けん作りが多くの方の日常に定着したら良いなと思っています。
お客様がいらした時、いつもより少し張り切っておもてなし料理を用意したりすると思います。私はデザインソープが得意なので、おもてなし料理のようなキレイな石けんをお伝えして行きたいと思っています。
石けん作りには、苛性ソーダという劇物を使用しますから少しハードルが高いと感じる方もいらっしゃると思います。
でも、お料理にも包丁など一歩間違えればケガをしてしまう道具を使います。石けんも同じです。安全に作る方法をしっかり覚えて、楽しく作って頂けるように尽力したい。
そして固形石けんがある生活の文化を、繋いでいきたいなと思います。
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お教室についてどうやって発信していってますか?

ホームページとブログでレッスンの予定などを発信しています。
あとはインスタグラムを見てくださる方が多いですね!
ブログにはレッスンの様子や石けん作りのコツなども記事にし て、読者様のお役に立つような記事を書くように工夫しています。
自分で作った作品はブログとインスタグラムに載せていますが、写真の撮り方に気を配り、「With Flowers」の石けんの雰囲気が見て下さる方に伝わるように工夫しています。
あとは出版した著書や、出演させて頂いたテレビやラジオをきっかけにいらして下さるお客様も多いです。

 

リピーターになって貰うために気を付けてることってありますか?

本当にありがたいことに、大半のお客様がリピーターになって下さっているんです。
これと言っては何もしてないんです(笑)
お花を乗せるというのが珍しいというところもあると思います!

初めて作る方や初心者の方には出来るだけわかりやすく、化学の部分も楽しく覚えて頂けるように心掛けています。
お客様達のお人柄に助けて頂いている一面もあります。
皆様、初めて会う方にとても気さくに優しく接して下さるので、自然と朗らかな雰囲気が出来上がっています。
私がバタバタしていても、ベテランさんが初心者の方が困らないようにサポートして下さるので。いつも感謝しています。

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ハンドメイドを仕事にし始めて変化・成長したこと・良かったことを教えてください

趣味で作っていた頃は、自分が作りたい石けんをただ作るだけでしたが、仕事になると自分の好き、嫌いだけではなく、「お客様が喜んで下さるデザインやレシピ」が何よりも重要です。
自分の好み以外の世界観も色々不随して勉強したりして。
勉強するのが楽しいですね。大人になっても努力出来ることは幸せだと感じます。

可愛い物が好きな方も、シックな物が好きな方もいらっしゃいますから、デザインのバリエーションをより広げたいといつも思っています。
様々な雰囲気のデザインを作ることは大変ですが、飽きることなくずっと挑戦することが出来ています。

お客様から「あの石けん、ステキでした。」と言って頂けると最高に嬉しいです。

 

今の暮らしの好きな事・お気に入りはありますか?

お教室周辺は、お花が多くて、公園がたくさんあります。煮詰まった時などに公園に行ってリフレッシュ出来ます。
公園で少しのんびりするだけで気持ちが前向きになります。
お花のパーツを作る時に、公園に行って、実物のお花を見て、花びらの生え方とかを見てこれだったら再現できるなって勉強にもなるし、リフレッシュにもなるんです。
時々出かけて海を見たり、公園に行ったり、カフェに行ったりして毎日を楽しんでいます。

 

ハンドメイド講師としてこれからやっていきたいこと

今後はどんな活動をされていく予定ですか?

石けん作りの裾野をもっと広げたいと思っています!
ご自宅で石けんが作れることを知っていらっしゃる方はまだまだ少ないので、協力してくださる方々と一緒に
手作り石けんがより広がるような活動をしていきたいですね。

1度作ってみると作る楽しさや使い心地に夢中になる方ばかりです。
使い心地、デザインの美しさ、色合いの優しさなど色々な角度から作りたいと思って頂ける石けんをご提案したいです。

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これからハンドメイドを仕事にしようと思っている方にメッセージをお願いします。

趣味からお仕事にしていくのは、想像以上に大変なことだと思うんですよね。
好きなことを仕事にしているって、華やかで楽しそうに見えますが、実際は地味な作業ばかりです。
体力と気力が必要な仕事だと思うんです。
大変なことも、苦手なことも、本当に好きな仕事が輝くための要素のひとつ。
そんな風に前向きに考えていけると、仕事がどんどん楽しくなって来ます。
ご自身が感じた手作りの楽しさを沢山の方に伝えて下さい。私も頑張り続けたいと思います。

[インタビュアー:三上 美幸]

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手作り石けん教室「With Flowers」
金子 ひとみ様/Hitomi Kaneko

ウェブサイト
withflowers.net/

ブログ
ameblo.jp/4103hitomi/

インスタグラム
www.instagram.com/withflowers_savon/

出版本
ハンドメイドソープストーリー フラワーコンフェティソープが奏でる世界
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